※このプレイ日記は2012年2月28日にHP後援者のセロさんが製作したものです。
第417弾
カタハネ
この作品は2007年1月26日に今は亡き
Tarteより発売されたゲームです。
ちなみにTarteは親会社の倒産により解散。
その後、同スタッフがRococo Worksを立ち上げましたが、
経営難により、2011年12月末に解散したそうです。
悲しい話だ。
このスタッフによる作品は二度と見られないわけだからな。
心中お察しいたします。
Q1:このゲームを手に入れようと思った時期および動機は?
おそらくは3〜4年前だと思う。
ダウンロードゲームのサイトを巡っていたらたまたま見つけたのがきっかけだ。
私は大の百合好きでな。
何か面白い百合ゲーはないかと探し回っていたのだ。
第一印象はいかがでしたかな?
水彩画を思わせる独特のタッチが印象的だったな。
こういう淡やかな色使いは嫌いではない。
原画担当は笛氏。新天地を見つけ活躍していただきたいですな。
Q2: ゲーム中で面白く感じたところは?
ほぼ全てだな。笛氏によるグラフィックはもとより、
音楽、ストーリー、個性的なキャラクター。非の打ち所のない作品だ。
確かにスキのない作品でした。
しかし、前回のレビューと同じことをいっていませんか?
基本的に自分の好きな作品しか候補にあげていないからな。
ちなみにこの作品は、
第一章はシロハネ前編
第二章はクロハネ編
第三章はシロハネ後編
といった三部構成になっている。
それでは各章の解説をいたしますか。
〜第一章〜
第一章は、歴史学者を志す少年セロと一緒に暮らす人形ココから始まる。
奇しくも我が君と同じ名前ですな。
私のハンドルネームは小学館の名作ARMSの登場人物からとったのだがな。
そうでしたな。
この少年セロが人形ココのメンテナンスのため、
人形技師のレイン・ヘルマーのもとに旅立つという物語だ。
小説家志望の少女で幼馴染のワカバと
その弟のライトが旅のお供として参加します。
この4人が、様々な人物に会い、旅の仲間が増えていく。
女優志望のアンジェリナ、詐欺師コンビのシルビアとトニーノ。
そして、ココと同じ人形のベル。誰もが印象的だったな。
シロハネ編は総じてほのぼのとした雰囲気でしたな。
ああ。だが、穏やかな雰囲気の中にも自然と引き込まれるものがあった。
名作とは開始10分もすれば、もう引き込まれているものだ。
このゲームにはそれがあった。
派手さはないが、導入部としては文句なしの職人仕事だ。
このあたりはシナリオ担当のJ−MINT氏の功績が大きいだろう。
さらに音楽もこの雰囲気を引き立てるのに大きく貢献している。
製作チームの見事なコンビネーションだ。
つくづく製作チームの解散が惜しまれます。
ああ。
〜第二章〜
第二章は過去編だ。人形のココに封印されていた悲しい記憶の物語。
大国である赤の国と青の国。その両国に挟まれた
白の国を舞台にして繰り広げられる陰謀劇。
シロハネ編がほのぼのならば、クロハネ編はシリアスなシナリオ展開だ。
白の国の併合を目論む、赤と青の国が戦争の口実を作ろうと謀略合戦を繰り広げます。
そうはさせまいと白の国の宰相アイン・ロンベルクは孤軍奮闘するが・・・・
その先に待ち受ける悲しい結末。
まさしく悲劇というべきだろうな。
〜第3章〜
第3章はシロハネの後編になる。小説家志望のワカバが演劇の台本に選んだ題材が
極悪人とされる白の国の宰相アイン・ロンベルクだ。
歴史学者の卵であるセロが、従来とは違うアプローチで
アインの姿に迫ろうとします。
結果として舞台は大成功。
そして、セロ達はそれぞれの道を歩み始めます。
第三章はコミカルな展開で、クロハネ編の重くなった空気を吹き飛ばしてくれたな。
そして、人形技師レイン・ヘルマーの意外な過去。彼もまた悲しみを背負った男でした。
ああ。この結末は是非、御自身で確かめて欲しい。
物語としてのキーパーソンは間違いなく人形ココです。
物語の中心に位置するだけでなく、
ともすれば暗くなりがちな雰囲気を和らげてくれる温かい存在。
ココの存在もまた貴重だったな。
このカタハネは私個人だけでなく、世間の評価も非常に高い
名作中の名作だ。
シナリオ、グラフィック、音楽全ての完成度が高く、
それらが相乗効果でさらに高め合うという職人芸の極みといえる作品です。
未プレイの方は是非チャレンジして欲しい。
Q3:ゲーム中で不満に感じたところは?
あえてあげるとすれば、それほど強烈なアレのシーンがないことか。
純愛からのものばかりで、ドギツイものを期待されていた方には不満が残るかもしれないな。
セロ殿も当初はそれを期待しておりましたからな。
ち・・・違う!違うぞ孔明!!私はただ純粋に面白そうだからだな・・・・
取り繕っても無駄ですぞ。
まあいい!話を続けるぞ!!肝心の百合も期待したほどではなかった。
その点が不満といえば不満かもしれない。
アダルトゲームでなくとも成功した作品ですかな?
それは難しいな。シナリオやグラフィックは文句なしだが、
コンシューマーゲームではどうやっても表現の限界が存在する。
男と女がいれば行為に及ぶのは当然のことだし、
それを自由に表現できるのはアダルトゲームだけだ。
表現の幅としてのアダルトゲームの優位性ですか?
特にこういったアドベンチャーゲームでは尚更な。
逆にいえば、より良い物語を求めるゆえに
アダルトゲームという選択肢は十分に考えられる。実際にシナリオが抜群で、
アレのシーンはオマケ程度という名作は数多く存在するぞ。
セロ殿の目的はアレだった気がしますが。
うるさい!!
Q4:お気に入りのキャラクターは誰??
クロハネ編に登場する白の国の宰相アイン・ロンベルクだ。
あまりにも印象的だったので
私のアイコンにさせてもらったほどだ。
両大国の陰謀から、必死で母国を守ろうとする姿は見惚れますな。
ああ。小国である白の国の併合を目論む二大国と戦う姿は旧日本帝国を彷彿とさせるほどだ。
様々なゲームが世に出回っているが、彼ほど私の琴線に触れたキャラクターはそうはいない。
愛する騎士ディアを失い、
陰謀劇の中心に立つ青の国の大使ヴァレリーと戦い、
主君である姫君の命が失われ、
最後は自らを謀叛人に仕立て上げ、
せめて白の国を戦火から守ろうとする姿はひたすらに感動した。
鬼畜にも劣る賊の烙印を背負い、その墓地は往来の地下に置かれ、
未来永劫踏みつけられることになる悲しい男です。
彼なりの贖罪だったのだろう。
主君も、愛する者も守ることができなかった彼なりのな。
ただ一人真実を知る人形エファの最後のつぶやきも心に染みました。
「私は知っています。あなたが優しい人だということを・・・・」
感動シーンのオンパレードだったな。
それにしても惚れ惚れするほどの後ろ姿です。
愛も名誉もすべて失い、それでも忠義を捨てない真の男でした。
これほど悲しく切ない後ろ姿は見たことがない。
同時に流れる「Memories are here」も最高の神曲だ。
同感です。しかし・・・よろしいのですか?
なにがだ?
アダルトゲームのお気に入りキャラクターにも関わらず、
男性キャラクターをあげるとは。
素直にカッコイイと思ったのだが。
下手をするとセロ殿にアッーな人物なのではという疑いがかけられますぞ。
↑
アッーな人物
なんでそうなる!!
百合好きの上にアッーですか。
もはや救いようがありませんな!!
黙れ!!救いようがないのはお前の頭だ!!
〜最後に〜
しかし、百合という文化は
まだまだ認知度が低いといわざるをえんのかもしれんな。
その通りですね。
奈々氏さん!!
少数派と分かっていながら、なぜ百合に入れ込むのです?
理屈ではありません。あえていえば
そこに百合があるからです。
いや・・・そもそも少数派ということは、ほとんどないということでは・・・・
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