第430弾





ガチャポン戦士3 英雄戦記


PartA












- ミニアンケ -





「あなたが好きな小説は?」 後編











 ギシン星人


電撃文庫で出版された「
とらドラ!」ですね。
いわゆる学園恋愛系のラノベで本編10巻、スピンオフ3巻構成です。
ヒロイン:大河 主人公:竜児 の二人が互いの意中の人を射止めるために同盟を組んで
互いの恋を支援し合うストーリーです。
キャラも多すぎず少なすぎずで人間関係もハッキリしていて中々読みやすいですね。
終盤は少々暗いですが。
3、4年前にアニメ化しましたがアニメ最終話と、小説最終巻の発売の時期がほぼ同じ時期
だったのでアニメ版のラストと小説版のラストが微妙に違うという現象が起きました。
 ML



スレイヤーズ
私がこちらの世界に入り浸る切っ掛けになった作品で、ロードス島に並ぶ剣と魔法の
ファンタジーです。独特の世界観と魔法の設定が面白い作品です。
アニメは万人向けの明るい作風でしたが、原作のほうはグロイ描写があったり後半にいくほど
シリアスになります。死人もだいぶ出ます。
シリアスなのはちょっと・・・という方は外伝の「スレイヤーズすぺしゃる」を読むのがいいかも
しれません。



零-zero-
ホラーゲーム零の唯一の文庫版。
単純なノベライズ化ではなく、深紅や真冬が実在する人物として存在し、
ゲームとは違うストーリーになっているのでゲームプレイ済みでも楽しむことができます。
ゲームそのままの物語が読みたい方はがっかりするでしょうけどね。
ゲームでは見られない泣きじゃくる弱弱しい深紅かわゆす。
著者が雛咲真冬になっているなど遊び心も見られます。



オーパーツ・ラブ
私が好きになった数少ないハーレム系作品です。
本来ハーレム系で主人公の男が優柔不断という作品はあまり好きではないのですが
この作品には惹かれてしまいました。
なぜか?
それはヒロインの一人であるイプネフェルのせいです。
古代エジプトの女王の彼女は褐色肌でカラシリス(エジプト独特の肌が透けるような布の服)を
纏い黒髪で青いアイシャドウ。そして巨乳。
もろ好みです、ハイ。
でも後半はツンデレ気味なのでツンデレ属性の無い私は少しがっかりでした。
年頃の獏にオイルマッサージをさせ、おあずけのまま悶々とさせるなどドSなイプ様は
堪らんですね、処女だそうです。
(描写こそないもののマッサージの感触をオカズにしている獏君なのでした)
金毛九尾狐である玖実やミノタウロスの力を持つアメリカンギャルのキャティも好きです。
おっぱいおっぱい。


妖魔夜行
現代を舞台に人間に成りすまして人間社会で生きている妖怪たちを題材にした作品です。
人間に害を与えるわけではなくただ過ごしている彼らが、騒ぎを起こす妖怪の、時には人間の
起こす事件を解決してゆくお話。
多数の執筆者がそれぞれのストーリーを担当しているのが面白いですね。
TRPGのルールにもなっています。
濡れ女の九鬼 未亜子さん、毛羽毛現の聖良さんがお気に入り。
「本シリーズにおける妖怪とは人間の"想い"(恐怖、愛情、憧れ等)が生命エネルギーに
形を与えることによって生まれた生命体で、基本的に寿命を持たず、一度死んでも人間の
"想い"さえあればいつかまた蘇る存在である。」(ウィキペディアより引用)



ロボン
官能小説です。
好きなイラストレーターのA-10氏が表紙を飾っていたのでジャケ買いしたのですが
実に良い作品でした。
文章だけでここまで興奮できるとは思いもしませんでした。
ビッチな褐色お姉さん、天然おっとりのお姉さん、真面目なメガネ幼馴染、男の娘と
様々なニーズにお答えするキャラたちが桃色に染めてくれます。
特に二巻の海水浴編でビッチ女のあゆみが、地元の中学生達とチョメチョメする話は堪らんです。
ビッチ万歳!
同じ作者の家庭教師 Secret lesson KSS novels という作品も好きですね。
イラストも同じくA-10氏です。


以下は友人のTRTR氏から借りたものです。



ダディフェイス
貧乏大学生とその仲間と、古代遺跡やオーパーツなどを狙うミュージアムという
組織の闘争のお話。掻い摘んで説明するとそんなところです。
遺跡を扱ったスプリガン的な面白さのある作品ですがこの作品の特徴といえば
変態が多いことです。
身体能力や戦闘能力だけでなく、中身も変態が多いです、良い意味で。
それを代表するのがデイモン・ギャレットという男です。
極悪犯罪者と説明され車椅子に拘束されて姿を現した彼がヒロインに発したセリフが
「この服は蒸れていけないな。お嬢さん、すまないが私のチ○○を掻いていただけないかな?
優しく、エレガントに!」
この男が喋るともれなくチ○○という単語がついてきます。
超イケメンでモテる変態紳士の超A級工作員デイモン、大好きです。ちなみに私は
敵の幹部であるハイキュレーターのウルスラ・ダリアンという褐色美女が好きです。
外道女ですが好きです踏まれたい。頭を潰されて逝ってしまいますけどね。
現在は打ち切られてしまったようで続編の音沙汰が無いのが残念。



Missing
現代に起こる怪異の恐怖を描いたホラーファンタジー。
すんげぇ怖いです。私は一時期闇が怖くなりました、本当に。
この作者の書く文章はすごく生々しく、読むのが嫌になってしまいます。
が、読めば読むほど先が気になる文章力のおかげで最後まで楽しめました。
登場人物のほとんどが死亡、発狂、行方不明などただでは済まない救いの無さ。
一度味わってみるのもいいかもしれません。
同じ作者の作品に「断章のグリム」という作品があり同じくホラーですが、
Missingと違い痛々しい描写が多いです。生々しい文章で痛みが伝わってくるようで、
恥ずかしくも私は目の前が真っ白になってしまいました・・・。医者の待合室でね・・・。
 セロ



プール・オブ・ダークネス」 富士見文庫
私が生まれて初めて読んだファンタジー小説。
剣と魔法という世界観はゲームなどで触れていましたが、中学生の頃にとある本屋で
何気なく手にとったこの作品でどっぷりハマリました。
人生を変えた作品として絶対に外せない本です。
敵も味方も個性的で楽しいキャラクターが多く、コミカルかつ軽妙な文章で一気に最後まで
読ませてくれます。特に敵のキャラクターが魅力的でした。
強力だけどプライドが高くて間抜けな魔術師マーカス。
「ラテナット(絶対的にな)!!」と何度も叫ぶ魔王タネタル。
マーカスに振り回されて苦労する元歴戦の騎士で骸骨戦士のブリトル。
今でも時々引っ張り出して読んでます。
前作に「プール・オブ・レイディアンズ」という作品がありますが、読んでなくても楽しめます。
一冊だけの短編なので気兼ねなく読めるのもいいですね。



ドラゴンランス戦記」1〜6 富士見文庫
全世界で5千万部という途方もない売上を記録した名作。
ハードでシリアスな世界観とストーリーは一見の価値あり。
特に高潔で自己犠牲精神の強い騎士スタームはLS連合の人間にも評価されると思います。
彼の戦いを描いた4巻「尖塔の青竜」は何度読み返したことか・・・・・
私は洋風ファンタジーのハードな世界観にはまったせいか、
巷で人気だった「ロードス島戦記」はあまり楽しめませんでした。


ドラゴンランス伝説」1〜6 富士見文庫
「ドラゴンランス戦記」の続編。
前作では主人公チームだった魔術師レイストリンの暴走を止めるために
兄キャラモンが彼を追いかける物語。
強大な力を手に入れ、神々に挑もうとするレイストリン。
そんな彼にどこか惹かれている聖女クリサニア。
ブラコンの兄キャラモン。
前作よりもキャラクターが全面に出ていた気がします。
シナリオも予想を裏切る展開の連続で、
感動のエンディングまで一気に読み抜けました。


ドラゴンランス英雄伝」1〜6
ドラゴンランスの世界観を舞台に数多くの作家が描いた短編集。
作品としては1冊に複数のお話が掲載されている感じです。
スピンオフ作品とでもいうべきでしょうか。
それぞれの作家の個性が感じ取れる非常に楽しめる作品です。
特に1巻に収録されている「道をそれた子供たち」は涙なしでは読めません・・・・・


指輪物語」 評論社
ファンタジーの原点ともいわれる作品。
中学生の時に本屋に注文して、取り寄せてもらった思い出の品。
ネットなどが普及していなかった当時、出版社を調べるのも一苦労で、
手に入れるまでがとにかく大変でした。
そして、本が届いたという電話があり、値段を聞いて愕然としました。
全6巻で12000円ぐらい・・・・・・
自分は文庫本をイメージしていたのですが、ハードカバーの大型本でした。
中学生にその金額はキツイ。本屋に届いたあとだからキャンセルできないし。
結局残っていたお年玉を投入するハメに・・・・違う意味で思い出の作品。
内容は・・・・・あんまり覚えていません。映画の方は見てませんし。
古典というべき作品ですが、既に当時の私は上に挙げたドラゴンランスシリーズに
触れていたせいか、それほど楽しめず、むしろ読むのがしんどかった・・・・・



英雄生きるべきか死ぬべきか」 上・中・下   講談社文庫
三国志の英雄・姜維伯約の活躍を描いた名作。
著者は柴田錬三郎。孔明死後の彼の奮闘記ともいえる作品。
随所に挿入される詩も、物語を盛り上げてくれます。一例を挙げると、

司馬、当年、寿春を囲み、降兵多数車塵を拝す。
東呉、英雄の士ありといえど、
誰ぞおよばん。
于詮のあえてその身を殺したるに。


注)呉は諸葛誕の乱に乗じて魏を攻めたが、
大敗し、多数の兵士が投降。
しかし、降伏をよしとせず戦死した呉の将軍于詮。
その死を悼んだ詩。現本が手元にないので詩は間違っている可能性がありますが。



三国演義」 1〜6 講談社文庫
著者は安能務。柴田錬三郎とはうって変わって淡々と物語を進行させるタイプの三国志。
こっちはこっちで一気に最後まで読ませる力があります。呉滅亡の最後まで描いてくれる数少ない作品。安能務氏によれば、場を盛り上げるための詩はあえて使わなかったとのこと。
柴田錬三郎を意識していたのでしょうか?面白かったからなんでもいいんですけど。
 ナカユウ


・「
そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ著
ベタだけど、これだけははずせない。絶対的な出来を誇る一冊。

・「
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」スティーグ・ラーソン著
現代に生まれた傑作ミステリ。作者が亡くなったのが残念。

・「
あしながおじさん」ジーン・ウェブスター著
すっと世界に入り込め、気が付けば読み終わっている。そんな気持ちのいい一冊。

・「
赤毛のアン」ルーシー・モード・モンゴメリ著
一度読めば、あなたもアンのとりこ。プリンス・エドワード島だけはいつか行ってみたい。

・「
アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著
序盤で挫折者多し。そこさえ乗り越えれば、この上ない感動が待っている。
死ぬほど泣いた。

・「
悪童日記」アゴタ・クリストフ著
強烈すぎる3部作の第1作。
それぞれが全くの別物と言える内容なのに、連続性のある作品として成立している。
ゲーム「MOTHER3」の元ネタであり、シリーズの方向性を変えてしまった元凶でもある。
好きな人は必読だが、どぎつい描写、エログロありなので注意。

・「
殺戮にいたる病」我孫子武丸著
とりあえず、間違いない一冊。ひたすらグロいので注意。

・「
手紙」「秘密」東野圭吾著
東野圭吾はそんなに好きじゃないけどこの二冊だけは認めざるを得ない。
映画はクソなので見なくてよし。

・「
かもめのジョナサン」リチャード・バック著
マイ・バイブル。
読み終わると遠いどこかに連れて行かれたかのようなほんわかとした気分にさせてくれる。
短いので何度でも読みたくなる。イチオシだが文学寄りなので注意。 
 溝蠍



綾辻行人「
殺人鬼
日本小説史上類を見ない本格スラッシャー映画的ホラー小説。
中身は「13日の金曜日」あたりのスラッシャー映画をアレンジしたもの。
作者が叙述ミステリの使い手なので「これは必要なのか?」と思うトリック があるが、
この手の映画は殺人描写がしっかりしていればなんら問題はないのでOK。
実写化するにはかなり苦労するであろう部分を紙の上というノー マネーな部分で
しっかり鬼畜に「演出」されているのは素晴らしい。続編あり。



平山夢明「
ミサイルマン
平山夢明は特に好きな小説家なのだが、その中でも一番のお気に入りをチョイス。
日本で鬼畜系ホラーエンタメ小説界において五本の指に入るであろう作者が書いた
ジャンル不明の小説。しいて言うなら日常系かな?
自堕落なおっさん主人公が平気で人を殺す若者と仲良くなり、一緒に強盗殺人したり
語り合ったりする日々を送っていると、予想外の出来事が、という 話。
主人公と若者の無自覚に鬼畜な部分や、主人公の心情を軽快に描いた一人称などが魅力。
こいつを読むときはザ・ハイロウズのミサイルマンを聞きなが ら読むべし。
なかなか興奮できるゾ。



友成純一「
ホラー映画ベスト10殺人事件
80年代ホラー映画ファン必読の書。
作者がホラーフリークかつ一部実体験を基にしているので、業界内の実情とか、
作者の嗜好が垣間見れて興味深い。
ストーリーは主人公の書いたホラー映画ベストテンになぞらえて次々と猟奇殺人が
発生するというもので、最後には映画の歴史を変えたホラーの金字塔「悪魔のいけにえ」
の殺人鬼レザーフェイスが新宿で大暴れ。
名シーン再現などもありファンはニヤリとするだろう。
ただし作者の文章力はそれほど高 くない。



椎名誠「
アド・バード
ファンからは「シーナ・ワールド」と呼ばれる独特のSF世界での冒険小説。
荒廃した世界で、兄弟が行方不明の父親を探して旅をする話といえばよくありそうな話だが、
この小説は奇妙な二社の広告が天地関係なく飛び交い、姿 かたちはほとんど読者の想像に
委ねられた、かつ一発で想像できる名前の怪生物たちが跋扈する物凄い世界観なのだ。
たたでさえ面白い冒険小説なのに、そこに珍獣が混ざっているときた。最高である。
ちなみにアニメ化の企画があったそうだが頓挫したらしい。残念である。



新堂冬樹「
毒蟲vs.溝鼠
闇金ヤクザの暗黒アウトロー小説から号泣必須の恋愛ものまでオールマイティな作者が描く
血みどろの最凶対最悪。
これをはじめて読んだときはこんなものがこの世にはあるのかと感動してしまった。
金に非常に汚く生き延びるなら何でもやる”溝鼠”鷹場と、気持ちいいくらいに嫌な奴で、
友人はサソリやタランチュラ、ムカデだけ”毒蟲”大黒。鷹 場率いる、金さえ積めば殺人以外は
何でもやる「復讐代行」と、大黒率いる他人の不幸が文字通り飯になる「別れさせ屋」。
こいつらが奇妙な因縁によ り阿鼻叫喚の殺し合いをする劇薬小説。
なんといってもどちらの陣営の人物も個性がきちんと描かれている、という点が素晴らしい。
もちろんみんな悪いやつなのだが、悪いには悪いなりの キャラの立たせ方がある。
特に主役の二人はバックボーンが深く掘り下げられており、非常にリアルである。
彼らの戦いにとにかく興奮しろ。ちなみにVシネで前後編が作られている。


舞城王太郎「
土か煙か食い物
元気になりたいときに読めばいいだろう、栄養ドリンクのような小説。
ただしかなりクセの強い味である。非常にテンションの高くなる小説である。
改行がほとんど無いってくらいの文章密度に、異様にハイな主人公の一人称が
組み合わさって物凄い圧力で迫ってくる。
四人兄弟の末っ子である主人公はアメリカで医者をしていたが、ある日母親が危篤状態に
なったとの知らせを受けて日本に帰国。、一番上の兄に理由を 尋ねると、
どうやら病気ではなく何者かに後頭部を殴られ、そのまま生き埋めにされたそうである。
ぶちぎれた主人公は、母親の仇をとるため知り合い やふたりの兄と協力して犯人を捜す、
という話。
ストーリーはミステリっぽいのだが、上記の理由からかなりエンタメよりだと思われる。
ちらちら挟まれる行方不明の兄「二郎」にまつわる過去話によって、小説にかなり深みが
出ている。



小林泰三「
ΑΩ
ウルトラマンと寄生獣か物体Xが合体した異形のハードSFスプラッターヒーロー小説である。
宇宙の果てに住むプラズマ生命体「ガ」が、邪悪な生命体「影」を追って地球に飛来する。
しかし彼はうっかり旅客機に接近してしまい、乗客を皆殺し にしてしまう。
超高温のプラズマにとって、地球の物質はあまりにも脆過ぎたのだ。罪滅ぼしのため、
そして地球で活動するために、彼は殺してしまっ た一人の男性「諸星隼人」と融合して
何とか生きながらえさせる。隼人と一心同体になったガの目の前に、同じように様々な生物と
融合した影の巨体が 現れる。ガは隼人の体を巨大化させ、影に立ち向かう。
その姿は、ひょっとしたら光の巨人に似ていた・・・。地球の存亡をかけた戦いが今、始まる!!
といった話。あらすじだけで面白そうである。
見所は冒頭のコテコテSF世界と、墜落した遺体の安置所や影によって変貌する肉体の
グロテスクさ、泥臭くも燃える戦闘シーン。どれをとっても非常 に面白い。
少年時代、ウルトラマンで育った人は多いはず。
そんなひとたちにぜひ読んでもらいたい小説である。



飴村行「
粘膜人間
なんだか物凄い小説である。
戦時中の日本。ある村に中学生の兄弟が住んでいた。彼らには行方不明の養母の連れ子
である弟の雷太がいた。そいつは2メートル近い身長と、100キロ超の巨体を誇る11歳児で、
暴れん坊な雷太 に兄弟とその父親は毎日暴力を受けていた。
耐えられなくなった兄弟は、村はずれに住む河童三兄弟に雷太の殺害を依頼する。
が、河童の長男モモ太は 殺す代わりに女と×××させろという。
仕方なく、兄はクラスで浮いていた女子中学生を雷太殺害の報酬として約束してしまう。
一方、その女子中学生 は濡れ衣により軍により幻覚剤による拷問を受けていた。
それは死すら生ぬるく思わせる、悪夢そのものだった・・・といった話。
この小説は3つに分かれており、それぞれ兄弟、女子中学生、雷太とモモ太の視点で描かれる。
そしてこのストーリーが徐々に絡み合って いく。
ウリはなんといってもエログロに尽きる。雷太の凄惨な暴力、幻覚の中での強烈なイメージ、
そして女子中学生のエロさなどなど。また終盤に挟まれる ブラックコメディ展開はいままでの
グロと組み合わさり変な笑いが浮かんでくる。
そういえばそもそも雷太の存在がすさまじい。
青っ洟を垂らした子供の坊主頭が、ラオウの体にくっついているところを想像してほしい。
コイツと河童が殺しあうところを作者は夢で幻視したそうである。怖すぎる夢である。



真藤順史「
庵堂三兄弟の聖職
面白い。ここまでストーリーで引っ張ってくる小説は初めてだった。
死体を解体して遺族の希望に沿って日用品を作り、故人の思い出を形にする職人「遺工師」。
庵堂家は代々その仕事を受け継いできた。庵堂家の面々は、現遺工師で人間嫌いの長男、
長男を手伝っていて、自分の意思とは無関係に暴言を吐いてしまう暴力的な次男。
そして兄たちから離れ、遠い町でサ ラリーマンをしている三男である。
父の七周忌で三人が再び集まった。そんなとき、昔からの付き合いのあるヤクザが長男に
とんでもない依頼をする。 次男は彼女とのトラブルがあり、三男は彼らに巻き込まれていき、
物語は加速していく。
という話。この小説、兄弟のひとりひとりに焦点があてられ、各々が抱えた問題を解決していき、
最後にはひとつにまとまるという構成。それぞれの話 がきちんとまとまっていて面白いし、
ラスト付近の展開は感動すら覚えた。


自分の読んだ大量の小説群から特に印象が強く、かつ面白いものをピックアップし、
ジャンル的にバランスの取れた結果となりました。
ホラー、ハード ボイ ルド、サスペンス、ミステリー、SF、冒険、鬼畜、ヒューマンと、
ホラーばっかりに偏らなかったのは自分でも意外でした。
 蒼皇


1冊目
マイケル・クライトン著 
ジュラシックパーク
映画が3まで公開しているSF小説。内容は人間達が恐竜達に追い詰められていくSFパニック
小説だが最先端科学技術の疑問や生命倫理の問題も物語の主題となっっています。
映画とは登場人物の生死や人間性に違いがあるので注意。

2冊目
ジェイムズ・P・ホーガン著 
星を継ぐ者
月面で発見された宇宙服を着た人間の遺骸が5万年前の物だと判明した事から謎が始まる、
人類の起源を解明していくSF小説。
現在でも解明されていない人と猿との間のミッシングリンク(古生物学では二種類の種の
進化の過程で間に存在するはずの両者の特徴を併せ持つ中間種の種の化石の事。
ここでは人と猿の間の事をさしているが未だに化石が発見されていない。)や
月の起源について、SFの視点から解釈をしていておもしろいです。
続編が翻訳済みが3冊、未翻訳が1冊刊行されていて「巨人たちの星シリーズ」と
総称されています。

3冊目
田中芳樹著 
銀河英雄伝説シリーズ
以前に私が映画アンケートで回答した作品の原作。
銀河系を舞台に人類が二つの国家にわかれて戦争をしていた時代。
その時代の中で輝き、歴史を作っていった英雄たちの物語です。
一応SFのジャンルになっていますが小説の文章が後世の歴史家たちの文といった形を
とっているので架空の歴史小説といった方が適当かもしれません。
この小説のイチオシのポイントはなんといっても多彩な色で時代に輝く登場人物たちです。
戦乱の時代の中で政治、戦場、謀略と様々な場所を舞台に己の才能を使い時代に
かかわっていく英雄たちの姿はこの物語が実際の歴史ではないかと思うほどに
内容に厚みがあります。
また登場人物たちが次々に死んでゆくのも物語に真実味がでていて魅力の一つに
なっています。
物語での立ち位置なんかまったく考慮されていません。何せ早くも二巻で重要人物が・・・。
ですので登場人物に愛着をもつとその人物が死んでしまわないかとてもハラハラします(笑
最後に一つ注意を。
登場人物、特に銀河帝国側の登場人物の名前は実在した歴史上の人物(ゲルマン系)と
被りますのでこれから世界史を学ぶ学生の方などは記憶が混ざらないように
気を付けてください(笑
でないと神聖ローマ帝国の皇帝がそのまま銀河に君臨するなんて事態が発生しますよ(笑

4冊目
司馬遼太郎著 
坂の上の雲
日本を代表する歴史小説家の代表作のひとつ。
上記の銀英伝が本当みたいな架空史ならこちらはウソみたいな正史。
こんなに魅力的な人物達が日本の近代史の基礎を作ったのだと思うとそれだけで
歴史に興味をもちます。
ただし、注意点は著者の歴史観がことさら「司馬観」と言われるほどその歴史観には
影響力がありますが、これはあくまで小説でありフィクションの部分や著者の主観等が
多分に影響している事を忘れないでほしい点です。
まあ、だからといって司馬遼太郎を否定する必要もないので、あくまで小説と理解して
読めば問題はありません。

5冊目
塩野七生著 
ローマ人の物語シリーズ
こちらは所変わり、舞台は地中海世界。古の時代にこの地域のほぼ全土を領土にした
巨大帝国がどのような過程で誕生し、その滅亡までにどのような物語を抱いていったのかを
見ていく物語。
魅力、注意点ともに坂の上の雲と共通。違いをさがすなら坂の上の雲は密度の比較的狭い
中で様々な人物が関わり合いながら動いているのに対して、こちらは広大なステージで
ダイナミックな動きが見れるといった所でしょうか。これは完全に読者一人一人の趣向の
範囲ですのでご自分の感性でお選びください。

6冊目
ユリウス・カエサル著 
ガリア戦記
こちらは著者からして今までの方々とは格が違います(失礼
皆様ご想像の通りこの著者はあの、ローマの英雄にして稀代の政治家、欧州圏各国言語で
皇帝の意味になった、あのカエサルです。
この本はカエサルが自ら軍団を率いて戦った対ガリア(現フランス)戦役の記録をカエサルが
自分の手でまとめ発表したものです。
すごいのは翻訳されているとはいえ現代においても劣らないその文章力です。
この本はローマで発売されて以来ローマ市民を狂喜させたいわれていますがその理由も
わかります。まるで詩のように流れて入ってくる文章は少し読むだけで自分がはるか2,000年前
の欧州でカエサルの隣で共に歴史を創造しているかに思えます。

7冊目
井村君江訳 
アーサ王物語
中世ヨーロッパの騎士道物語のひとつ。ブリタニア(現イギリス、ブリテン島)の伝説上の王
アーサの生涯とその騎士達の物語。
魔女や魔物など伝説や伝承の類の為ファンタジーの気分でも読める。
ちなみにアーサー王はモデルになったと思われる人物はいるがあくまで架空の人物であり
物語の中の出来事も大半が事実ではない。
もちろんこれらの伝承には元になる事実がある可能性も大いにあるが、
間違ってもローマ皇帝を倒してはいないし、ブリタニア帝国も建国していない。
いずれにしても、アーサー王や円卓の騎士は様々なメディアでモデルにされているので
元ネタを知るという意味でもおもしろい。

8冊目
アガサ・クリスティ著 
ABC殺人事件
”ミステリーの女王”クリスティの代表作名探偵ポワロシリーズ。その中でもさらに代表作として
知名度、人気、評価ともに高いのがこのABC殺人事件です。
私はミステリーではホームズよりポワロの方を好んでいます。
ホームズとの違いはホームズが現場の遺留品や証拠を重視するのに対してポワロは事件
関係者との会話から思考や行動の傾向を探り、それに心理分析を加えて考察していく事に
重点を置いている所ですね。もちろん両者とももう一方を軽視している訳では無いことを
一応述べておきます。
まあコカインやモルヒネ等の薬物依存だったり、退屈なときに壁に拳銃の弾痕でイニシャルを
打つ人物と自らを世界一の探偵という自信家でも女性に優しく、礼儀正しい紳士的な人物
ならば後者のポワロを選ぶでしょう、ふつうは(笑

9冊目
アガサ・クリスティ著 
アクロイド殺し
同じくポワロシリーズの代表的名作のひとつ。
ちなみにミステリー小説はネタバレに近づく恐れがあるので内容の説明などはしませんので
ご了承ください。
あとミステリーではエラリー・クイーンのエジプト十字架の謎などもおすすめです。

10冊目
瀬名秀明著 
八月の博物館
この小説は上記9冊以上におすすめ、といいますか読んでみていただきたい小説です。
特に読書家でご自分でも小説を書いておられるナカユウさんやチロさんにはぜひ読んでみて
いただいて感想を聞かせていただいてみたい小説です。
この小説は、小説を論じるのに小説を表現方法に使った小説です。
ですので必然的にメタ小説となっています。

内容は三つの物語で構成されていて、
実在したフランス人エジプト考古学者オーギュスト・マリエットが主人公の歴史小説。
小学六年生の亨が主人公の時空を超えることのできる博物館の博物館を舞台にした
青春冒険小説
これはネタバレしますとドラえもんへのオマージュが多分にあり、
(まず間違いなく物語のモデルが大長編の魔界大冒険)
それは作者がドラえもんをこよなく愛しておりこの本の最終ページに”本書を、
故 藤子・F・不二雄先生に捧げる”とありますから間違いないでしょう。

ここまではふつうの小説なのですが三つ目の物語が、
作家である”私”が仕事や恋愛、特に小説を書く上で様々な事に悩む瀬名秀明さんの私小説
というべき内容なのです。
この第三の物語があることで上記の冒険小説の部分が盛り上がっても平行して物語の
作為性に白けてしまった作家の苦悩が描かれているので読者が没頭しきれないなどの
問題があり娯楽小説としては微妙なできだと友人にはいわれているのですが
私はこの”私”の小説を書いていくうえでの悩みの告白がとても強烈な印象を受け、
元々ストーリーがおもしろかった事もあり始めて読んで以来気に入っている小説の一冊です。
ですので前述したとおりナカユウさんやチロさんに限らず、
いろいろな方に読んでみていただいて感想を聞かせていただきです。

















 以上でおしまいですね、隊長。



 回答に協力してくれた皆様、
ありがとうございました!



 隊長もご苦労様でした。通常数ヶ月かけて行う編集・掲載をわずか2週間で仕上げるとは。



 ああ。さすがに今回の突貫作業はしんどかったよw



 どうしてまたそんなムチャを・・・。
















 回答募集の際、チェス党の「あまり寝かさない方がよい」と言ってきたんでな。



 え?チェス党が?



 今回は新規回答者さんが多かった。新しき方々のためにも早期公開の要望は理にかなっていたよ。



 へえ。あの人もまともな提案をするんですね。



 そういえば
まだ柳の回答をあげてなかったな。最後に掲載しておこう。



 どうせえっちな本ばっかりでしょ。















 柳



◆『
さらば、荒野』 北方謙三
最近じゃ”三国志”や”水滸伝”で有名な北方謙三。
彼のハードボイルド作品”ブラディ・ドールシリーズ(全10巻)、その記念すべき第一巻。
人生を変えた一冊が有るとすれば、このタイトル、このシリーズ。
読後、私の価値観や人生観は大きく変わりました。
まず特筆すべきは文章。時に圧倒的臨場感をもたらす一人称。
そして、「まるでぶん殴られているようだ」とも評される、短いセンテンス、体言止めの文体。
文章に酔え、酔ったまま酒を叩き込みたくなる作品。
そして読めばきっと分かる。出てくる男達が全員痺れるほど格好いい。
しばらく漫画や映画なんて見る気も起きなくなるほど、桁違いに。
これ以上の男達を、私は知らない。
ただ、その代わり魅力的な女性はほとんど出てこないw
なればこそ敢えて言おう。
「ソープに行け!」



◆『
クライマーズ・ハイ』 横山秀夫
リアルを超越したフィクション。
著者が新聞記者時代に実際遭遇した、日本航空123便墜落事故を題材とした本作。
人間の生き様、親子の葛藤、様々な思惑が交差する組織内の軋轢、
そして命への問い掛け・・・なと、
深く重いテーマを凄絶な筆力で描き切った名作中の名作。
時に圧迫感すら覚えてしまうほどの濃密さと熱量は、著者自身の魂そのものが込められて
いるからだろうか。
薄っぺらなエンターテイメントに辟易している方は、是非こちらを。
ちなみに映画化されてますが・・・私のオススメとしては、
逆に、映画化された小説を狙って買うと、むしろハズレが少ないように思います。



◆『
風に舞いあがるビニールシート』 森絵都
短編集。女性作家も短編集もあまり好みでない自分ですが、
文句無くオススメ出来る一冊。
特に表題作はさすが直木賞受賞作、の一言。泣けます。
他の収録作”犬の散歩”、”ジェネレーションX”、”鐘の音”など、
それぞれ違ったテーマの作品がいずれも非常に高い完成度を誇っており、感心しきり。
そして高い文章力と表現力の上手さは読んでいて本当に心地が良いです。
それら著者の引き出しの多さには心より敬服致します。
女性ならでは(?)なのか、登場人物の少しドライな雰囲気にハマったら、
著者の他の作品『カラフル』や『DIVE!』も是非。
青春小説を書かせたら右に出るものはいない・・・と、個人的には思っております。



◆『
神様からひと言』 荻原浩
片肘張らず、単純に面白いものを、という方、特に社会人の方にオススメ。
この作品を始め『メリーゴーランド』や『なかよし小鳩組』など、
著者のユーモア小説はとにかく笑えて楽しめ、最後にホロっとさせられ、
読後感は最高です。軍事好きな方には『
僕達の戦争』を。
ベタというかありがちな展開ですが、私は職場の休憩室で爆笑しながら読みました。



◆『
新宿鮫』 大沢在昌
個人的に思う、警察小説の最高峰。
喰らいついたら離れない。警察組織のしがらみにも囚われない。
否応なく抱えてしまった”爆弾”故にキャリアから外れ、そして新宿アウトローに”鮫”と
恐れられる唯一孤高の男、刑事鮫島の物語。
ハードボイルドにジャンルされるのだろうが、むしろ鮫島の人間味が印象に残る一作。
歌舞伎町で拳銃代わりに白濁色をブッ放す
”新宿ザーメ〇”なんてオチは無い。
ご安心下さい(何言ってんだ俺はw)


◆『
殺人鬼』 綾辻行人
◆『
リング・らせん・ループ・バースデー』 鈴木光司
殺人鬼はもう、バッリバリのスプラッタホラー。
手足はもげ眼球はブっ潰され、腹が裂けたら腸がはみ出て生首ばび〜〜〜ん!
血飛沫!血飛沫!!そして血飛沫ぃぃ〜〜!
刺突切断抉り出し、なんでも来〜〜〜い!
と・・・そんな作品がお好きな方に。私は苦手です。
ただ、それだけに終わらないのがさすが、ミステリ界の巨匠、綾辻行人。

逆に、リングシリーズをホラーで敬遠している人には待てと言いたい。
確かにSF的ではあるが、ホラーというより知的なサスペンス、ミステリーといった印象。
正直、貞子もほとんど怖く無いです。
SF(呪い)を科学的に追い掛けていく過程に、きっと引き込まれるでしょう。
しかし3D映画化?
貞子の手コキとかまいったぜw


◆『
13階段』 高野和明
◆『
サクリファイス』 近藤史恵
ミステリー好きの方にはこちらを。
ただ、私はトリックよりストーリーや人物の掘り下げを重視するので、
その点はお断りしておきます。
小説ならでは!といったトリックを堪能なさりたい方は

イニシエーション・ラブ』 乾くるみ
葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午

でしょうか。どちらも絶対に実写化不可能です。13階段はテーマが司法、犯罪加害者、
被害者、そして冤罪と死刑・・・と、テーマは重いです。
ただ、裁判員制度が施行された今こそ、是非お読み頂けたらと思います。
勿論、ミステリーとしての面白さもまず間違い無いでしょう。

サクリファイス(訳・自己犠牲)は一転、自転車のロードレースを舞台にした作品。
個人とチーム。エースとアシスト。深い人物描写と、恐らくは綿密な取材が可能とした
レースの臨場感。
そんな自転車競技の裏で交錯する人々の思惑・・・ある選手が抱く競技への愛情に、
涙するかもしれません。
スポーツ小説の側面も持っており、特に疾走感溢れるレースシーンは素晴らしいの一言、
きっと一度自転車レースを見に行きたくなります。
競輪場に行った自分はクソ野郎ですw


◆『
キノの旅』 時雨沢恵一
最後にライトノベルから。
冒頭の文章からは絵本のような印象を受けるかもしれませんが、中身は人間のエゴや
醜さ扱った意外や重厚な連作集です。
その重厚な世界を、淡々と主人公キノと相棒エルメスが駆け抜けていく。
爽やかなようで、余韻が重い。不思議で魅力的な世界観を持った作品です。
ラノベだと思っていると良い意味で期待を裏切られます。
シリーズの密かなお楽しみは、著者の人を喰ったような”あとがき”です。


10作品までという事なので、選抜に結構悩みました。
どれか1作だけでも、皆様と共感出来れば幸いです。
小説に限らず活字、本は読んだ分だけ、その人の厚みが増していくと思います
(=立派な人間ってワケじゃないんですけど)。
ちなみに、全てブッ〇オフ等で105円で手に入る物ばかり。
シリーズ全巻集めても4000円ちょっとくらい?
中古ゲーム1本分程度の投資で訪れる至福の読書時間を!













 ところどころ変なこと書いてますが・・・結構真面目に本を読む人ですね(汗)



 顔はムチャクチャだが学はあるんだよ。あの副総裁は。







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