このプレイ日記はHP後援者・溝蠍(どぶさそり)さまからご投稿いただいたものです。



















数年前、食玩ブームがあった。


チョコエッグを筆頭とするおまけ付きのお菓子が


コンビニやスーパーのお菓子売り場を席巻していた時代、


「宇宙大作戦 チョコベーダー」というお菓子が発売された。




それはチョコレートで出来た球状のカプセルのなかに宇宙人か<UFOの組立式フィギュアが


その解説と共にプラスチック製のカプセルに包まれて入っているというもの。


確か値段は300円くらいだったと思う。





当時の溝蠍は事あるごとにソレを買っていた。


その頃はオカルトなものに夢中だったからである。


チョコを割り、中のカプセルに入っているフィギュアを取り出すのが実に楽しみだった。


宇宙人のフィギュア目当てだったが残念なことに出てきたフィギュアの大半がUFOだった。


中々当たりは来ないが、出てきた時の嬉しさは格別である。




溝蠍は第3弾から買い始めたのだが、第4弾が出始めた頃にソレはゲーム売り場に現れた。





なんとゲーム「宇宙大作戦 チョコベーダー ウチュウからの侵略者」で、


ある店で見掛けて即買い。


家に帰って早速プレイ。


これが実に面白い。




多彩キャラクターとまあまあのストーリー。


ゲームとしては名作とまではいかなくとも佳作くらいにはなるはずだ。


宇宙人と地球を救う奇妙で長い旅の後は色褪せることのない思い出になるハズだった・・・







あれから随分長い時間がたった。


当時の思い出も長い年月に晒されたビデオパッケージの背のように色褪せ、

ホラー映画の世界に引きずり込まれた溝蠍はすっかり当時の情熱を忘れていた。














ある日、部屋の片付けをしているとゲームボーイアドバンスと「チョコベーダー」のソフトを見つけた。


ふと懐かしくなった溝蠍はソフトをゲームボーイアドバンスにセットし電源を入れ、「つづきから」を選ぶ。


画面の向こう側には数年前と全く変わらない風景がそこに広がっていた。




溝蠍 「もう一度、彼らと冒険してみようか・・・」



















第---弾





宇宙大作戦 チョコベーダー



















久々のチョコベーダーである。



溝蠍 「数年前と同じ仲間と冒険するのもいいが、新たな仲間でやってみるか」



ということで、一種の縛りプレイに挑戦しようと思う。


内容は特定の仲間のみでクリア・店での買い物禁止でプレイすること。


気になるメンバーは・・・・のちのち明らかにするとしよう。














では、ゲーム本編の開始だ。















 


開始早々、カラスが家の前を通り過ぎるという不吉な場面の後、


朝早くから凄まじい騒音を出しながら溝蠍は黙々とロボットを作っていた。


明日のロボットバトルコンテストに出場するために作ったものだ。


徹夜で完成させたソイツにユンボと名付け、朝食を摂るために階下に降りていく。















テレビでは1秒に1回まばたきをするアナウンサーがアメリカに隕石が墜落したと伝えていた。


そういえば先週も落ちたはずだ。


朝食を終えて学校に向かう。遅刻しないように急がなければ。


動作テストのためにユンボを連れて急いで学校に向かう溝蠍。




だがそのとき、何とカラスが溝蠍の前に立ち塞がった!











 


カラス 「カァ!」


溝蠍 「F・ディスクで追い払ってやる」


口でいっても聞かないようなので、ここは暴力しかないようだ。









 


溝蠍 「カラスめ、遅刻しちゃうだろ!」


F・ディスクを投げつけること数回、カラスはチョコレートを落とし裏山の方角に逃げていった。




溝蠍 「カラスがチョコレートを持ってるなんてどんな時代だ?」



こういう動物は群れで襲ってくるから怖いのであって、たった1匹では話にならないのである。



溝蠍 「ヒッチコックの鳥を観なかったのか?次は群れで来い。」






何とか遅刻せずに学校に着いた溝蠍。













校舎に入るとそこには悪友のケンドー・タケシがいた。











彼は溝蠍の発明品で火だるまになりかけたので、その落とし前をつけろと責めてくる。


元々は彼が強引に発明品を奪っていったのが原因であるが。















どうしようかと考えあぐねているうちに、ユンボが見つかってしまった。












 


そして落とし前としてユンボを奪われてしまう。


溝蠍は壁まで突き飛ばされてしまった。


起き上がったところにちょうど担任の先生が通りかかり、傷薬を渡してくれた。


さっきのカラスとの戦闘で受けたダメージを回復したい所だが、














回復量が多すぎる。



溝蠍 「最大HPが55だってのに、もう少しすくなくていいだろ・・・ 」



もったいないのでしばらくとっておくことにしよう。


ユンボを取り返す為にケンドーを探すことにした。


途中入った教室のロッカーからチョコレートを回収しつつ、捜索する。














やっとのことでケンドーを発見。ユンボを返すように話すが、効果無し。


またもや暴力を使おうとするも、1時間目の授業のチャイムで中断。


徹夜のせいか、授業は丸々寝過ごしてしまった。



溝蠍 「ケンドー、ユンボ返せ!」


ケンドー「うるさい、もうコイツは俺のもんだ!」



再び、ケンドーに抗議するが、やはり効果無し。


ケンドーに突進しようとするところで突然激しい揺れが溝蠍達を襲った!


そして、スピーカーから放送が。








 


好奇心を抑え切れずに隕石を一目見ようと裏山に向かうケンドー達。


それに付いていくユンボ。


薄情なロボである。


溝蠍はユンボを奪い返そうとケンドーを追って裏山へ。


やっとのことで追い付くとそこには裏山へ登る道を塞ぐ黒いスーツの男と、


彼と交渉するケンドーがいた。



ケンドー「隕石を見せてもらえませんか?」











黒スーツ 「・・・・・」


ケンドー 「なあ、見せてもいいでしょ!」


黒スーツ 「うるさい!」




ケンドーは黒スーツに突き飛ばされてしまった。


そんなケンドーに溝蠍はしつこくユンボを返せと問い詰めるが、


隕石を持ってきてくれたら返してやろうと言い放ち、帰ってしまう。


仕方なく黒スーツに隕石を見せてもらうよう交渉する。















黒スーツ 「立ち入り禁止だ」


溝蠍 「どうして見せてくれないのか?」


黒スーツ 「事情というものがあるんだ。見せるわけにはいかない」


溝蠍 「こっちにも事情というものがあるんだ。見せてもらえるか?」


黒スーツ 「お前も痛い目に合いたいのか?」













溝蠍 「通らせてもらうぞ!」



カラスを撃退したF・ディスクを使い黒スーツを攻撃するがまるで効果無し。


対する黒スーツは光線銃を撃ち、反撃。



黒スーツ 「これ以上は時間の無駄だ!」


溝蠍 「クソッ!」



力及ばずケンドーのように突き飛ばされてしまった。

このままではどうすることも出来ない。


フラフラとゴミ捨て場に入っていくと、謎の光が輝いているではないか。













その光に触れると、妙な場所に飛ばされてしまった。


色が反転しているが、どうやら裏山のようだ。


早速隕石を取りに行こうとするも、道が塞がれていた。


仕方なく、ゴミ捨て場に向かうとさっきの光が先程より輝きを増していた。



溝蠍 「うん?何だ、この光は?」


すると、突然光が語りかけてきた。




謎の光 「お前は溝蠍だな?」


溝蠍 「そうだが、お前は何者だ?」












ふむ、私は宇宙なる意志、ユナイティ。私は、宇宙の始まり。

ビッグバンと共に生まれ出るもの。大いなる意志。






内心、ヤバいクスリでも使わなかったか心配したが、そんなことはなかった。





ユナイティ 「150億年もの間、宇宙を見守り続けてきた」



溝蠍 「150億年も!まるで神みたいだな」



ユナイティ 「みたいではない。地球ではワタシの事を神と呼んでおるようだ」



溝蠍「へぇ、俺は今神と話しているのか」



ユナイティ 「ワタシの話を聞くがよい。いよいよ地球も宇宙と関わる時が来た。

だが、地球人が宇宙の平和を乱す存在ならば、ほってはおけぬ。

地球人が他の宇宙人と共に宇宙の平和を守っていけるか。そのテストを行う時がきたのだ。」



溝蠍 「話がわからないな。そもそも宇宙人なんて本当にいるのか?」



ユナイティ 「皆、気付いていないだけなのだ。少しだけ注意して見るがいい。

お前の周りにも既に多くの宇宙人が潜んでおるぞ。」




溝蠍 「ところで、テストって何をするんだ?もし0点をとったらどうなる?」



ユナイティ 「その時は地球が滅びるかもしれぬ」



溝蠍 「ユナイティ、貴様!」



ユナイティ 「違う。ワタシは何もしない。お前たちが自らの手で地球を滅ぼすことになるのだ」



溝蠍 「どういうことだ?」



ユナイティ 「ワタシはまず、3人の地球人を選び出す。そして、その3人の超能力を引き出す。

これがテストだ。溝蠍よ!お前は選ばれし者なのだ!それをエンライトナーと呼ぶ!」



溝蠍 「それになったら俺も超能力を貰えるということか?」



ユナイティ 「貰うのではない。お前の持つ力が引き出されるのだ。

生きるもの全て、多かれ少なかれそういった力を持っているのだ。

ただ、その使い方を知らぬのだ。その力を念波という・・・。お前は元々念波が強いようだ。

だから、ワタシを見ることができたのだ。他の者は気付きもしなかった。

お前ならば念波を操り様々な能力を使いこなすことができるだろう。

そして、宇宙人達と互角に渡り合うことができるだろう。

強い宇宙人を仲間にすれば地球を支配することもできるかもしれぬ。

しかし、それはお前の他の2人のエンライトナーにも同じことが言える。」



溝蠍 「他の2人のエンライトナーとは?」



ユナイティ 「いずれわかることだろう。お前が嫌がっても向こうから近づいて来るだろう。


地球が栄えるも滅びるも、3人のエンライトナー達の力の使い方と、そして宇宙人達をどうするか?


このテストが、地球の未来を左右することになるのだ。溝蠍よ、地球の運命を担え!


お前の力を引き出すぞ!力、愛、勇気、どの力がいい?」



溝蠍 「無論、力だ」



ユナイティ 「お前の力は岩を砕くだろう。よし、それでは力をやろう!」






ユナイティがそう言い放つと、辺りは眩い光に包まれた。


気付くと、辺りは元に戻っていてユナイティも消えていた。


やはり夢だったのだろうか?


溝蠍 「それより隕石を見つけなければ・・・」




ゴミ捨て場を出ようとすると、突然頭の中に何かイメージが沸いてきた!






溝蠍 「何かの設計図みたいだ。材料さえあれば作れるかもしれない!」




ゴミ捨て場を見渡すと、冷蔵庫、テレビ、プロポ、ところてん突きがある。


早速回収し、分解。イメージを参考にしながら必要なパーツを組み立てていく。




溝蠍 「よし、設計図通りに出来た。あとはF・ディスクに組み込めば完成だ。

コイツをエンライト・ディスクと名付けよう!
ヒャア!どんどん力が湧き出てくる気がする!

さっきのユナイティってヤツは幻覚ではなかったのか!」





突然、頭の中にユナイティが語りかけてきた。



ユナイティ 「力を呼び起こせたようだな。そのエンライト・ディスクはお前の力が引き出したものだ。

使いこなせば強くなれる!

様々な宇宙人達とふれあうことでエンライト・ディスクの使い方を理解していく事だろう。

さあ、行け!溝蠍!ワタシはいつでもお前を見ているぞ!最後にこれをやろう」





ユナイティはどうやったのかは知らないが溝蠍に「ユナイティの書」を渡した。


どうやら大切なことが書いてあるようだ。



ユナイティ 「お前達エンライトナーが宇宙人達と遭遇したとき、与えられた力をどう使うか・・・

それが、地球の運命を左右するのだ・・・」






こうして、ユナイティの演説は終わった。




溝蠍 「さて、この力であの黒スーツを打ち倒さなければな・・・・」









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