第88弾






フレッシュ!


PartB





















戦場を駆けるレベンディック信奉者、ロングソード連合隊長ガードリーダー。


持ち前の突撃精神と守り一徹の防衛戦法で名作PCゲーム「フレッシュ!」の攻略に挑む。
















 


今回ガードリーダーが攻略目標とするのは関西からの転校生であり巫女の橘京香。


見ての通りの美人だが、この橘京香は回復呪文を唱えるという摩訶不思議なキャラクターだったのだw



ガードリーダー 「まさか回復魔法を使うとはな。いやはやたいした女の子だぜ」






かつてプレイ日記・ドラクエUで重宝したナカユウ、MLのベホイミを思い出すガードリーダーだったが・・・


橘京香の回復呪文はそんな生易しいものではなかった。















ガードリーダー 「なにっ!!?」


橘京香の特殊能力・ヒーリングは使用者に大きな負担をかける諸刃の剣だった。


このヒーリングを使用した者は一時的に身体が消えそうになり、使用しすぎるとそのまま消滅してしまうというのだ。







相手を助けようと多用すれば自分自身さえも消滅してしまう禁断の呪文、それがヒーリングの正体だった。


まさに究極の自己犠牲魔法である。
















ガードリーダー 「なんてこった。橘京香が使うのはベホイミじゃなくて完全にメガザルってわけか(汗)」






















禁呪法ともいえるヒーリングを古き御世より代々受け継いでしてきたのが橘京香の一族。


橘京香に宿命付けられたヒーリング能力者としての使命はあまりにも過酷だったが・・・・


彼女はすでにそれを受け入れていた。



京香 「わたしは人を助けるために生きてきたん。この人生で助けるべき人助けてしもうたらきっと死ぬんや」


















京香 「わたしはな、雪やねん。傷ついた人の上に降り積もって、ほんで解けていくねん」







ガードリーダー 「・・・・・・・・」
















 


一族の宿命とはいえ、いずれ自分は消え行くものと確信している橘京香の後姿は・・・あまりにも切ない。







愛しさ、哀しさ、そして無常観。


ガードリーダーの胸に得体の知れない感情がこみ上げてくる。



















女性好きが多いロングソード連合最高幹部の中でも硬派一徹で知られるガードリーダー。


しかしそのガードリーダーをもってしても橘京香を抱きしめずにいられなかった。



ガードリーダー 「橘京香は消せさせはしない。たとえ何が起ころうとも死守してみせる・・・必ずな」
















純情っぷりと嫉妬劇に終始翻弄された天王寺舞との戦いとは明らかに異なる橘京香編。


特別二人の仲を裂くようなイベントは一切姿を見せず、時間だけが刻々と過ぎていく。










 


主人公と橘京香はお互いを認め合い、支え合うようになっていたが・・・・


いつの日か橘京香が消えてしまうのではないかという不安感が未だ主人公に根強く残っていた。













京香 「時間なんか止まってしもうたらええのに」



心のどこかに不安があったのはどうやらガードリーダーだけではなく橘京香も同様だった。


二人は今自分たちが感じることが出来る時間が過ぎるを惜しみ、それが永遠に続くことを願った。




ガードリーダー 「天王寺舞とは性格が全く違うが・・・橘京香にはやはり惹かれる、な」




主人公と橘京香、二人の心はたしかに通じ合っている。


それだけは間違いないことだった。



















ガードリーダーの橘京香攻略作戦そのものはほぼ完遂されたといっても過言ではなかった。


その証拠に橘京香の自宅に招かれたガードリーダーが聞いた言葉は、


「お母さんもお父さんも出かけてしもていはらんねん」だった。












誰もいない女の子の家・・・となるとやるべきことはただひとつであるw


















こうして主人公と橘京香はついに心も身体も結ばれたのである。



















・・・例の如くですが、我がロングソード連合ではその逢瀬の一部始終を公開することは自粛しますw























こうして無事に橘京香と結ばれたガードリーダーだったのだが・・・


あまりに橘京香とばかり遊びすぎたため、主人公の弟・大樹がもっと遊んで欲しいと号泣。


世が世なら百万の軍勢を縦横無尽に操るガードリーダーに向かって、わがままをぬかすとは・・・


やはり「兄より優れた弟なんぞいない!」というのは真理である。












ガードリーダーが絶大な信頼を多く天王寺舞も、橘京香とのデートに連れていってあげろとガードリーダーに抗議。


ひさびさに実家キャラが登場したと思ったらこんな事態になろうとは・・・(汗)


















気分はまさにビルギット・ピリオであるw








空気の読めない主人公の弟、そしてこのシナリオではケンカ仲間状態の天王寺舞。


ふたりして攻め立てられるとさすがにここは折れるしかなかった。



ガードリーダー 「ちっ、長く自国を空けすぎると反乱分子が根付くって言うのは本当だな」


















とにもかくにも弟・大樹と一緒にスキーを楽しむガードリーダーと橘京香。


わんぱくな大樹には少々手を焼くが、人数が多いとそれだけ盛り上がるというのもまた事実だった。


こうしてガードリーダーたち三人は心行くまで遊び尽くした。












 


やや人見知りの激しい主人公の弟・大樹は橘京香を本当の姉のようによくなついていた。


「お兄ちゃんとチューするの?」などストレートな発言には驚かされるが、そこはまだ子供。


デートを妨害した罪は斬罪に相当するが、腹の太いガードリーダーは笑って大樹を許すのであった。









遊びつかれたガードリーダーは大樹を連れて家に帰ろうとしたそのとき、橘京香が叫ぶ。

















京香 「あ、危ないっ!」














 


ガードリーダー 「なにッ!?」



慌てて道路に飛び出したガードリーダーと大輔にアクセル全開の車が急接近!



















「全員よけろ!」、ガードリーダーが発することが出来た言葉はそれだけだった。








鈍い衝撃音があたりに響いた。



























ガードリーダー 「だ・・・大樹      ッ!!」



ガードリーダーと橘京香にケガはなかったものの、弟の大樹は避けることが出来なかった。













そして大樹は救急車の到着を待たずして絶命。最後に呼んだのは母親だった・・・。


楽しいスキーの帰りには弟の死という衝撃的結末が待っていたのである。


号泣する主人公を慰めるべき言葉などこの世には存在しない。

















 


泣き崩れる主人公の姿を見た橘京香は、大輔の失った命をとり戻すため最後の手段に出る。


それは自身もつヒーリング能力を極限まで高め、大樹を蘇生させるというものだった。


だがたとえ蘇生に成功しても、橘京香自身が消滅する可能性がもっとも危険な技なのだ。





しかし橘京香はすでに決心していた。


他人のための自己犠牲は長い間一族に受け継がれてきた宿命であり、それが橘京香の本望だった。



京香 「もっとはよ会えたらよかったな・・・そしたら、もっといろんなことができたのに」

























悲劇の日から翌日、ガードリーダーの部屋にいきなり天王寺舞が飛び込んできた。


天王寺舞は泣きながら叫ぶ。「大樹が生き返ったんだよ!」と。


狂喜する主人公の家族、天王寺舞・・・だがガードリーダ−にはすぐまた別の予感がよぎる。



ガードリーダー 「大樹が生き返ったってことは・・・。ま、まずい!もしかしたら!!」



















慌てて家を飛び出したガードリーダーが見たのは、消えかかった橘京香の姿だった。


京香の予想通り、限度を越えたヒーリングを行った術者は代償として身体が消滅しようとしていた。
















ガードリーダー 「行くな!京香!京香!戻れ!京香!」



ガードリーダーは消え行く橘京香に向かって叫ぶが・・・・京香はただ黙って微笑み、消えていった・・・。
















たとえ大樹が蘇っても最愛の人・橘京香を失ってはなんにもならない。














橘京香が雪にように溶けていった後、ガードリーダーが見た光景は信じがたいものがった。




























ガードリーダー 「って、これでエンディングだと!?バ、バカな!




なんとここでゲームの終了を表すFinマークが登場!!


信じられないような結末・・・・。





まさかこれが橘京香編のエンディングとでもいうのか!?












ガードリーダー 「いや、まだだ!スッタロールのあとにきっとなにかがあるはずだ!


















 


フレッシュ!のような恋愛ゲームはスッタロールの後にイベントが用意されていることが多い。


それを信じてガードリーダーは辛抱強く待つ。


ガードリーダーはエンディングの最後で橘京香が生き返ることに最後の望みを託したのである。


















そしてスタッフロールは終わり、ガードリーダーが目にしたのは・・・・・・



























タイトル画面だった。































ガードリーダー
 「・・・・・・・!!」










・・・・・・・・。



・・・・・まさかこれが俗にいうバットエンディングというヤツなのか。






予想だにしない終幕にガードリーダーはしばし呆然。








ガードリーダー 「くっ!橘京香が死んだのは、選択肢のどこかで俺がミスっちまったためか・・・」



















自分の宿命である自己犠牲によって主人公の弟を救った橘京香はある意味本望だったかもしれない。


だがこれまで恋愛ゲームを大団円でクリアしてきたロングソード連合がそれで納得できるのか?






否。断じて否である。


我が長剣の旗に賭けて、こんなエンディングを認めるわけにはいかない。






















 


ガードリーダー 「負けるわけには・・・いかねえんだ」



真のエンディングを目指してガードリーダーはすぐさまセーブデータのロードを開始。


幸い選択肢が出るたびにこまめにセーブしておいたので、すぐに反撃を開始することが可能だった。














 


ガードリーダー 「絶対勝つんだ!オレはいくんだ、橘京香と一緒に!」



今回の橘京香編に登場する選択肢の数は決して多くはない。


選択する回答の順番を変えるなどあらゆる手を使ってバットエンディングからの脱出を計るが・・・






















何度やり直しても結果は同じだった(泣)
























伊集院レイ、神無月志保、町田多恵、天王寺舞、館林見晴、双葉と若葉,、そして和泉恭子。


これまでどんな難攻不落なキャラが相手でも、最後には勝利を収めたガードリーダー。


結局1時間にわたって「橘京香の死」というを最悪の結末を回避しようとプレイを続けるが・・・


どんな選択肢を選ぼうと、宿命付けられた橘京香の運命を変えることはできなかった。











つまりこれはバットエンドでなく、回避不可能な通常エンディングだったのだ。





















天から降りおちた雪が再び空へ戻ることはない・・・・それは決してないのだ。


散る宿命(さだめ)にあったとはいえ、橘京香の最期はあまりにも切なかった。












ガードリーダー 「信じられねえ・・・まさか本当にこれがエンディングなのかよ・・・・」











別れのあとで舞い散る雪の結晶は、悲しいまでに美しかった。

















































































「終わった。勝負あった」



























観客も 記者も
























ロングソードの関係者たちも




















ガードリーダーに忠誠心の厚い群馬支部の隊員たちでさえも






















このプレイ日記を読んでいる全員がそう思った




























「大団円は、なしだ」








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