この第2ピアノ室は実質的な私の個室になっているの。
ここ第2ピアノ室っていうんですか。
私に用があったら・・・、まあ無くてもいいけどここにきて頂戴ね。
ウス。わかりました。
それにしてもガードリーダー君、服がススだらけよ。何かあったの?
実は昨日空襲にあっちゃいまして。
空襲?
い、いえ火事です。住むところが燃えちゃって。それで入学式に遅れたんです。
まあ!
トリアーエズ、通学するため今日から兄さんの家に厄介になるつもりです。
それは大変だったわね。何か困ったことがあったらいつでも言ってきてね。
(・・・・居候するなら先生の家がよかったなァ)
第480弾
ピアノフォルテ
PartE
2012年7月5日。アヴァロン軍の空襲で拠点を失ったガードリーダーは兄・秀樹の家へ転進。
野営地で装備の大半を失ったが、鉄の涙作戦は始まったばかり。
こんなところで挫折するわけにはいかない。まずは兄の家で態勢を立て直すのだ。
兄の家の付近に到着すると、兄の娘・紗英がお出迎え。
兄の娘と言っても実の娘ではないらしく、兄の奥さんが前夫との間にもうけた子だそうだ。
火事にあったと報告すると紗英は、「さすが天災ピアニスト」と自慢げ。
うまいことを言ったつもりだろうが・・・・。チェス党の如きブラックユーモアは少々いただけないw
そして兄の家では本作品のヒロインと思われる美菜さんが登場。
兄・秀樹とは離婚寸前という極めて不安定な時期に関わらず満面の笑みでガードリーダーを歓迎。
住む場所を失ったガードリーダーを「自分の家だと思ってね」と暖かく迎えてくれた。
抜群の料理に加え、容姿・品格ともまるで非の打ち所が無い美菜さん。まさに完璧超人だ。
しゃべり方があの人に似てさえいなければ攻略する価値もあっただろうw
なぜ兄と別れることになったのか確かめてみたい気もするが・・・・それは作戦外。
とにかくこれで音大への通学拠点は確保。鉄の涙作戦の進行に支障なしである。
侵入および懐柔は成功のようですな、隊長。
蒼皇か。
拠点は得ました。早速ながら次の段階へステップアップされてはいかがでしょう?
次の段階?
蜀漢皇帝の先例に習い、国を奪ってしまうのです。
国を奪う?あの二人をこの家から叩き出せと言うのか。
御意。
バカバカしい。久々の長編でそんな非道な策は採用できん。
恐れながらこの家の住民・・・・隊長が義理立てするほどの人物ではございませぬ。
兄の正妻・美菜は器量優れるといえど、すでに枯れ尾花。二度目の離婚も目前です。
・・・・・。
娘の紗英にいたっては特筆すべき長所もなし。単なるロリキャラ枠に過ぎません。
美菜や紗英の悪口を言って欲しくねえな。
これはこれは・・・。隊長とは思えぬ意外なお言葉。
たしかに俺は勝つために手段を選ばん。だが二人を犠牲にはできん。お引き取り願おう。
残念です。てっきりあの親子はお嫌いかと思ってました。
別段好きではないがこれから世話になるんでね。
どこぞの腹黒軍師を信用するより遥かにマシってこった。