※このプレイ日記は2012年12月31日にHP後援者のナギさんが製作したものです。




第628弾





提督の決断V








前作「提督の決断U」の発売から3年の時を経てリリースされた本作。

なお、本作も前作同様、PC版と後に移植されたPS版で仕様の一部が異なる。



・戦車の削除
 PC版に存在していた戦車がPS版では消滅。元々陸戦時にプレイヤーの脳内妄想
 に貢献している程度でどれだけ影響を与えていたのか不明な部分も多く、
 戦車の仕様自体が微妙だったので正直なところ問題は無い。
 どなたか戦車支援の影響力を詳しく説明できる方おられましたらご一報を。


・新型艦船の艦影
 PC版では艦影を自由に設定できていたが、PS版では変更不可。既存の艦型モデル
 と思しきものが設定されているのでスペックだけ設定できる。


・一部艦型、航空機の削除
 前述の艦影と同様、容量の都合か、一部の艦型、航空機がPS版では削除されており、
 ゲームには登場しない。また一部の艦種はモデルが汎用モデルになっている。


・パワーアップキット版
 PC版では既存の艦艇、航空機のスペック、艦名、航空機名などを自由に
 設定変更可能であったが、PS版ではその仕様がカットされている。


・戦場の高低差
 PC版では空中、海面、海中の3段階で3層表示なのだが、PS版では空中、海面の
 2層表示で、海中は海面と同じ盤上で表示されている。


・戦闘中のCOM思考の弱体化
 航空戦に言える弱体化。本ゲームで航空隊が敵航空隊に銃撃を仕掛けると
 行動力を1消耗する。行動力が8あれば最大8回銃撃を仕掛けられるのだが、
 PS版ではどれだけ行動力が余っても1回しか銃撃してこなくなった。
 逆にPC版ではしつこく銃撃をしかけてくるため、航空戦の戦闘アニメだけは
 オフにしておくのを推奨します。


※現在の自分のPC環境ではゲームを起動できないため、
 一部「提督の決断Vマスターブック」から画像を抽出しているものがあります。










【徹底的なリアル志向を求めた仕様】

本作は前作以上にリアルさを追求したと言える内容になっている。




●本格的な擬似リアルタイム制
 提決Tでは時間経過が4時間、提決Uでは1日だったが、本作では1時間に。
 これは1日24回命令入力のターンが回ってくる、というのではなく、
 以下の二つのモードを使い分ける。

・「命令入力可」モード
 文字通り艦隊、基地に対して命令を入力できる状態。
 ここで入力した命令は、まだその時点では実行されない。
 このモードの間は時間は停止しているので、好きなだけ命令を入力できる。
 逆にこのモードで命令を入力しておかないと、何も出来ないので注意が必要。

・「命令実行中」モード
 「命令入力可」モードで入力した命令が実行に移される状態。
 ゲーム内時間1時間経過ごとに徐徐に艦隊が動いていったり、
 航空隊が索敵を行なったり、敵艦隊、基地に攻撃を仕掛けたりすることが出来る。
 他にも補給、修理、建造なども行なわれる。
 なお、このモード中、任意のタイミングで「命令入力可」モードに変更できる。



●制海権の確立
 「日本近海」などのように海域ごとに陣営の色分けがされている。
 日本軍、連合軍、勢力拮抗状態の3つの状態がある。
 敵に制海権を握られている場合、その海域の自軍基地への補給スピードが減少、
 逆に自軍が制海権を握っている海域の場合、自軍基地への補給スピードが上昇する。
 制海権の掌握に必要な条件は該当海域に存在する航空機、海防艦、艦船の数が大きく
 影響します。そのため、海域内は敵基地のみなのにこちらが大艦隊を複数投入すれば
 制海権を奪取できたりもします。



●補給の簡易化
 基地への補給は前作までは任意でプレイヤーが行なっていたが、本作では少々異なる。
 各項目に「理想値」が設定されており、その数値を維持するように「命令実行中」
 モードの時間経過とともに過不足分を調整されるのだ。

 つまり、兵力60が理想値と設定されている基地に兵力が20しかいなければ、
 徐徐に60目指して補充されていく。逆に90と多ければ徐徐に60へと減少し、
 余剰分は予備兵力へ戻った後、別基地に補充されるのだ。
 慣れてくるとこの理想値システムは非常に便利で、TやUをプレイし直したりした時、
 手動で補給しなければいけないのが煩わしくさえ思えてしまうほどだ。



●国力



 過去作では予算を投入したり、師団抽出数を調整すれば国力の維持、上昇は可能で
 あったが、本作では大きく異なる。国民生産力が毎月一定数強制的に減少していくのだ。
 この数値が0になると強制ゲームオーバーになるので最も注意が必要な数値である。
 戦争を行なうということは戦費がかさんだり、兵員に取られたりと国民生活に大きく
 打撃を与えている、という解釈なのだろう。毎月減少していく国民生産力が一定数低下
 すると、艦船の建造日数が延びたり、毎週生産される航空機の生産数が減少する。
 これらの状況は工業技術を上昇させると幾分改善はするがあくまで減少分をいくらか
 補填できるレベルでしかないので大きな期待はできない。特に航空機の場合は

 「国民生産力の減少により航空機の生産ラインに影響が生じています。
  生産数の調整を行なってください」


 といった意の表示が出るので初見の際はかなりびっくりします。

 ちなみにこの国民生産力は日本の場合難易度普通で毎月9減少する。
 難易度難しいの場合は毎月18に跳ね上がる。日本の初期国民生産力は600なので、
 キャンペーンシナリオ1でプレイすると史実より早く日本は継戦能力を失うので、
 技術を育てきってからの新型艦船投入は厳しいので注意。
 更にこの難易度の時、日本軍の航空機生産数は毎週25機程度となっており、
 かなりリアルな数値設定になっている。
 ここまで生産数が少ないと、陸海軍問わず艦載機+一式陸攻で機種統合を
 やっておかないと、生産、補充が追いつかなくなってしまいます。

 逆にアメリカでのプレイでリアルさを楽しみたいなら難易度優しいがお勧め。
 航空機生産数は馬鹿みたいに多くなっているので、逆に何を作るか悩んでしまう。

 なお、この国民生産力を上昇させる方法は基本ありません。
 パワーアップキットで導入されたイベントでユダヤ人科学者亡命が発生した場合、
 僅か5程度回復しますが、条件がちょっと面倒です。
 そのイベント発生の条件が

 「ドイツ第3帝国と敵対していること」だったりします。

 日本軍を選択した場合、架空シナリオで日英vs米独のものを選択しない限り
 基本この条件に当てはまらないので発生は不可です。


 また、この国力は諸外国にも設定されており、国民生産力が0になると敵対
 している陣営に降伏してしまう。ただ、同盟国に関しては物資援助を行なうと
 減少値を1にまで減らすことが可能なので、国民生産力が50〜100と低い
 東南アジア各国も日本が0になるより長く援助で延命が可能なのだ。逆に言えば
 物資援助が勿体無いと思うなら、同盟国をこちらに鞍替えさせた後は早々に
 援助を打ち切り、さっさと降伏してもらう、
というのも手ではある(※)。

※降伏したからといって、その国の基地が敵国所属に変更されることはないので安心。
 ただ、無念さを訴える国家元首の台詞が流れるので複雑な心境にはなるが。




●諸外国
 前作で大きく存在感を増した諸外国ですが、今回は更に大きな存在になりました。
 イギリス、オランダ、ドイツなど以外にもインドネシアやフィリピンなどといった
 国々も追加されました。

 特にドイツの影響力はシリーズ最大とも言える存在になりました。
 前作では太平洋に参戦したかと思えば勝手にアメリカと講和条約を締結する、
 同盟国としてまったく頼りにならないチョビ髭野郎でしたが、今回は違います。
 たまにドイツからUボートが到着し、技術提供してくれるイベントが発生します。
 いきなりヒトラーが「戦争を勝利に導くの優れた技術力である。我が国の技術を
 提供するので有効に活用してくれたまえ」
と登場するのだ。
 どの項目かはランダムですが技術力が75(※1)上がる驚異的な効果があるイベント
 なのでこれが発生した場合は、プレイヤーは狂喜すること間違いないですね。

 このイベントは特定日時(※2)を除く毎週日曜に発生するかの判定が
 行なわれているようなので、ゲームバランスを気にせず技術強化をしたい場合は、
 直前でセーブしてリセットロードを繰り返すのも手ですね。


※1:技術力振り分けを2にした場合、ゲーム内で4ヶ月近くかかる上昇値
※2:開戦時など、史実イベントなどが発生するタイミングと重なる場合は発生しない



 なお、前作では「宣戦布告」を行なわなければ戦端を開くことはできませんでしたが、
 今回はいつでも戦端を開くことができます。




 ただ12月8日に正式にイベントで日本側から宣戦布告が行なわれますので、
 それより前に戦端を開くと、諸外国からの友好度が猛烈に下がる、という
 デメリットしかありませんが(^^;)
 まぁ同盟国に離反してもらっての縛りプレイ、などをしたい人にはお勧めですが。

 更には前作では沈没した諸外国の艦艇は戦列に復帰することはありませんでしたが、
 本作では物資などの援助を一定数以上行なうと、たとえ全滅していても艦隊戦力が
 再編できるほどの戦力の回復が行なわれます。
 本作での英国艦隊は最大60隻程度となりますので、英国を味方に取り込んだ場合は、
 積極的に援助を行なうと有力な艦隊が増えることになります。
 戦力の補充は毎月一日に行なわれ、報告画面とともに表示されます。

 問題は英国戦艦は皆揃いも揃って移動速度が遅いのがネックですが……



●艦船の能力



 ▲次回作のWでは更に詳細化され、主砲配置は前後まで分類されたりするが、
  本作はその走りと言える。 


 艦船の能力をより細分化。前作までは対艦攻撃力、対空攻撃力、という数値
 だったものが、「46.0cm3連装砲 3基」といった具合に変更。
 数字からサイズ記載の砲塔に変更され、臨場感が大きく増加。
 「鋼鉄の咆哮」のように口径などの細かな設定は無いものの、
 シュミレーションゲームとしては充分過ぎる変更になりました。
 それと同時に艦種によって搭載できる砲の上限が設定されたので、
 前作までは作成できた戦艦大和と同様の対艦攻撃力をもつ巡洋艦、駆逐艦
 などの超兵器は作成できなくなりました。

 また、空母には飛行甲板の耐久力が設定されることに。空母そのものの損害は
 たいしたことがなくても飛行甲板の耐久力が0になると航空機の発艦が出来なくなる
という状況も。
まぁそんな事態になったことは一度も無いけどね。
 他にも爆雷が装備として実装されたので、前作までのように艦種依存や残魚雷数
 など関係なく、対潜攻撃可能な艦とそうでない艦の明確化が行なわれました。

 なお、新型艦船の設計は過去作のように一定の技術に達成すると設計可能になる、
 という仕様ではない。設計を試みた時点での艦船技術力から設計に使用できるポ
 イントが算出され、それを元に設計を行なうのだ。ゲーム終盤になると技術力が
 高くなっているので修正ポイントは増えるが国力が衰退しているので完成までの
 時間がかかり最悪竣工が間に合わない、という事態に陥る場合もある。その辺の
 見極めが少々厄介ではあるが、楽しみでもある。
  ちなみにUの時とは異なり、兵装や耐久力などにそれぞれ必要な修正ポイント
 が割り振られており、それをいかにうまく割り振るか意外と頭を悩ますことになる。
 個人的には、開戦時に飛龍型の対空攻撃力、耐久力を強化した感じの空母を1つ
 設計し、後は技術力が700くらいになったら各艦型を設計というので良いかなぁ
 と思います。それまでは史実で改装された艦艇には「防空強化型」という改装項目
 があり、改装を行なえるのでそれで案外最後まで戦えます。



●航空機の能力
 前作では各航空機に設定されたスペックは固定であり、変更することは不可能でした。
 本作では未完成状態の航空機に関してはスペックをいじることが可能です。
 攻撃力、爆撃力、防御力、航続距離、速度の項目にそれぞれ修正ポイントが割り振られ
 ているので、どれかの能力を減らし、余剰分になった修正ポイントを別項目に
 振り分ける、という方法になります。
 他にもレーダー搭載、偵察能力、夜間飛行能力、高高度、といった特殊能力の
 設定を行なう事も可能。プレイヤーの戦術戦略によっていかようにも設計変更
 できるので、自由度はかなりあると言えるでしょう。
 ちなみにパワーアップキット版では修正ポイントに関係なく無尽蔵に強化が可能で
 あるのに加え、機体名まで変更可能になっています。
 ただ、PC版では能力変更するためにはクリックしまくらないといけないので、
 特に航続距離を増やすために延々とクリックしている時なんかは、人生について
 自問したくなったりもします(何




●艦船の竣工
 前作までは毎月月始めに完成した艦船が竣工していましたが、本作では微妙に
 異なります。完成までに日数は建造開始を行なった日からカウントされるので、
 月始めではなく、月半ばなどで竣工したりするのだ。正確には何曜日だったか
 失念したが、特定の曜日に竣工判定があり、建造期間経過後のその曜日に竣工
 する、
といった仕様です。
 なお、中々遭遇する機会はありませんが母港に敵部隊が侵攻している状態だと
 建造が一時中断されてしまい、敵部隊を排除するまではどんなに年月が経って
 も竣工しませんので注意が必要です。



●艦隊編成



 本作では1個艦隊で最大32隻の編成が行なえ、過去最大規模になっている。
 うちわけは最大8隻で編成される戦隊を4個で編成、戦隊ごとに提督を任命
 することが出来、戦隊内で一番高位の提督が艦隊司令長官に任命される。
 
 戦隊は決められたマス内にプレイヤー自身が好きなように艦船を配置できる。
 前作の輪形陣などのような陣形は自身で自作するしかないのが少々面倒だが、
 個々で配置するのは意外と楽しい。
 



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