ダメだ、
全然見つからねえ!!



 授業で使用した教室を片っ端から見てきましたがどこにも・・・・。




 職員室の落とし物コーナーにも届けられておりません。



 
あきらめるな。俺は教師たちに聞いてくる。ゼネゲルとすずこう君は体育館を・・・












 
もう・・・いいよ。















 な?濡れて・・・。この雨の中、
外も探してたのか!?



 もういい。










 
もう・・・見つからない・・・。だからもう、手伝ってくれなくていいよ。



 ま、待て。いいのかよそれで(汗)



 ・・・・。



 そんな簡単に諦めていいのか?
どうでもいいものじゃないんだろう?













 
あたしだって諦めたくなんかないよ!!すごく・・・

すごく大切なものだったんだから!









 


 あれがないと・・・友達と・・・
東京のみんなとの接点がなくなっちゃう・・・。

携帯の番号もメアドも・・・全部あの中に・・・
あの中にしかないのに・・・・










 

東京から半年前にやってきた角田氷和子。

ガードリーダーがその笑顔を見たのは一度だけ。東京の友達と電話していたときだ。

氷和子にとって携帯はただの電話ではない。

仲の良かった東京の友達と自分をつなぐ唯一の接点だったのだ。









 だったら、なおさらあきらめるわけにはいかねえ。絶対に見つけようぜ。



 でも・・・・
もういいの。













 


 だってもう皆、あたしのことなんて・・・
こんな遠くにいるあたしのことなんて

どうでもいいに決まってる。向こうにいたときは・・・・

ううん、こっちへ来てからすぐの頃は数分だけでも放課後に話してたのに。

今じゃあっちからは全然かかってこない・・・。









 


 
すごく仲のいい友達だったのよ!?それなのに、あたしから電話しないと話せないの・・・

かかってこないのよ・・・。













 あたし・・・
忘れられていくの。もう向こうの皆の中に、あたしなんていないのよ・・・・。



 氷和子・・・。



 ・・・今日は一緒に探してくれてありがとう。・・・・じゃあね。













 

激しかった雨はいつの間にかやんだ。









 

ずぶ濡れの氷和子は声を押し殺すように泣き、そしてガードリーダーに別れを告げた。

今氷和子をかけれる言葉は・・・何もない。













しかしまだだ。まだ終わりじゃない。

まだロングソードには・・・ガードリーダーには、氷和子のためにできることが残っている。














 ゼネゲル!すずこうーッ!!



 おおう!



 隊長命令だ。
偵察用のヘリを全部上げろ。それから各後援者に出動要請を。



 
了解!ガードリーダー隊長!


















第700弾





セパレイトブルー


PartE


 












 

プレイ日記第700弾。アルミラージ作戦はパート6に突入。











 

氷和子の携帯を発見せよ。長剣隊長ガードリーダーの動員令が下った。

ロングソード連合は航空部隊ならびに陸上兵力による捜索を開始。

加えて近隣の後援者に支援を求めるなど、鹿児島同盟討伐戦に匹敵する大兵力を投入した。

















 どうだ見つかったか?



 いえ、まだです。航空隊のレーダー、ソナーにも反応ありません。



 
もう一度田舎町全域にかけて一から捜しなおそう。



 承知!



 
とつお君かに君は山間部の捜索してくれ。



 
おう!



 
了解っ。



 
セロさんぼばさんは学校関係者、近隣住民に聞き取りを。



 
わかりました。



 ゼネゲル。
JD殿下に増援部隊の派遣を要請してくれ。



 はっ。ただちに!



 なんとしても・・・なんとしても氷和子の携帯を見つけ出さねば・・・。



 
失礼します。



















 総力戦の様相ここに極まれり。されど戦局は芳しくないようですな。



 あっ。蒼皇さん。



 腹黒か。
呼んだ覚えはないぞ。




 おそれながらこの蒼皇。隊長のお役に立とうと一案を持ってまいりました。



 一案?



 なにか携帯を探す手立てがあるんですか?



 いいえ。
その逆です。



 逆ぅ〜??



 角田氷和子の携帯。
見つける必要はありません。むしろ破壊すべきです。



 なんだと・・・・・。














 未だ引きずる東京への想いを抹消する
絶好のチャンス。ここで携帯が見つからねば

角田氷和子はこの田舎に順応せざるを得ません。



 ど、どういう意味だ。そりゃ。



 あえて携帯を見つけず、
傷ついた氷和子さんの心に漬け込むというんですか(汗)



 
・・・御意。



 な!?



 
馬鹿な。いくらなんでもやりすぎです。男として恥ずべきだッ!



 そうだぁ。やい蒼皇、
テメーはロングソードの名を地に落とす気か!



 やれやれ。
九州男児の頑固さには困ったものです。



 
なにィ!



 
男子のメンツに軍の権威。いつの時代でも武官が固執するものは同じですな。












 


 では伺いましょう。貴方がたに角田氷和子を懐柔させる手立てがあるのですか?

彼女のガードの固さは隊長をして、
「グラブロ・ラインと同等」と言わしめたほど。

生半可な手立てでは
パート20になっても攻略できません。



 ・・・・。



 されど、蒼皇さんの策は
人の道に反します。私は賛成できません。



 同感です。そもそも氷和子さんを傷つけるなんて、
絶対に許されませんよ!



 アルミラージ作戦の今回は角田氷和子を完全攻略すること。

彼女を救済することが目的ではありません。














 どんな手を使ってでも
勝利すればよろしい。正義や愛などといったものは

勝ってから行えばよいのです。



 ぐううう。



 
(な、なんて野郎だ・・・)



 ・・・・話はよくわかった。
さすが後援者随一と呼ばれる切れ者よ。



 ははっ。ありがたき幸せ。



 た、隊長。



 だがそんな無道の策を採用するわけにはいかん。断じてな。



 なんと。



 よく聞け天才軍師。












 


 これまで多少の腹黒は見逃してきたが、今日という今日は
もう我慢ならん。












 
こんの・・・






















 鬼めーーー!!



 わあっ!隊長!(汗)



 い、いかん。みんな・・・隊長を止めてください!

















 やめろ隊長!!!



 やめてくださいー!!!



 くそっ、離せぇー!蒼皇を殺して・・・俺も死ぬーッ!!!



 お静まりを!今はこんなことをしてる場合じゃありません!



 そ、そうです。手分けして角田さんの携帯を探しましょう(汗)



 ぬぬぬぬ。



 蒼皇さんもお引取りを!



 たしかに、日をあらためた方がよさそうですね。ではまた。
















内戦勃発という最悪の事態は後援者たちの尽力でどうにか防がれた。

そう・・・今は腹黒軍師の戯言にかまっている時ではないのだ。











 

結局この日、氷和子の携帯は見つからなかったが戦争は瀬戸際こそ正念場。

ここで携帯を見失ったらガードリーダーに勝ちはない。

ロングソード連合全軍の総力を結集した捜索活動は続く・・・。



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