※このプレイ日記は2013年4月14日にHP後援者の柳さんから頂いたものです。
第720弾
ウマドンナ2
PartF
その日は、穏やかな晴れ間が広がる日だった。
有馬記念決戦当日。
中山競馬場のパドックに、バクシオーは堂々と姿を現した。
パドックとはつまり、レース前の顔見せみたいなものですな。
副総裁、観衆が待ちかねておりますぞ!
そうか!
そこまで言われれば披露せんわけにはいかんな!
う・・・・・・。
・・・汚い。
なんだと〜!?
相変わらずバカやってるな。
おお、皆様お揃いで競馬観戦ですかな。
お前の応援だよ。
な、なんとッ!?
負けやがったら、缶詰にして負け分回収させて貰うからな。
が、頑張ります・・・。
本当にまた馬になったんですねw
お、ヤマトゲキトツオー殿ではありませんか。
馬みたいな呼び方はやめて下さい(汗)
どうも。
お、続いてはケ〇アナスズコー殿ですな。
せいッ。
はがががが!?
いい加減にしましょうね、ホント。
と、言われましても・・・ねぇ隊長?
確かになぁ。
なんでそこだけ意思疎通されてんですか(汗)
しかし、隊長が賭け事というのも珍しい気が。
そうか?
お金は使ってこそ意味がある、なんて誰かに言われたそうですよ。
・・・そうだっけ。
良い言葉ですな。ささ、セロ殿も馬券の購入に参りましょう。
主君の財布で馬券を買う配下がどこにいる!?
三号・・・その、ヤツの姿は見えたか?
この人手では、さすがに見つけ出すのは・・・。
・・・そうか。貴様は下がれ、これよりは選ばれし競走馬のみが立ち入れる戦場ぞ!
ハッ!ご武運を!
・・・声掛け、しなくて良かったのですか?
今更、言うべき言葉など。
そうですか。では、ここでお別れです。
最後まで見届けないので?
あまりの茶番に、今回は毒気を抜かれましたよ。
ありがとうございましたッ。
・・・はい。
地下馬道を抜け、ターフへ。
歓声が地鳴りのように響き渡り、また衝撃波のように空気を震わす。
10万人前後の観衆を呑み込んだ中山競馬場。
その熱狂、興奮が、いよいよクライマックスを迎えるのだ。
・・・って、おい!
調子はどう?
はい、まさかのコースど真ん中にガキんちょろ登場〜。
まずは無事、ここまで辿り着いたわね。
って、ありえるか〜〜い!
もはや認めざるを得ない。
この娘は、人間の目には触れられない存在だという事だ。
幽霊?まさか。
今日は、声をかけるつもりは無かった。でも、我慢できなくて、つい、ね。
何故、そのような姿で?
薄々感じてはいた。
彼女はきっと、砕けてしまった夢の欠片。
ある一頭の競走馬の、叶わなかった想いが見せる、一時だけの夢幻。
だが少女は答えず、自嘲気味に笑いながらガラスのような目を細めただけだった。
悪いけど、答えは預けさせてもらう。有馬記念の、ゴールのその先に。
・・・勘違いなさらぬよう。自分は、貴様に走れと言われたから走るわけではない。
・・・・・・。
一体全体、どういう事か自分でもさっぱり分からんが、夢を託されていてな、
この自分などが。
厩務員の夢、調教師の夢、主戦騎手の夢・・・それだけではない。
自分自身の夢でもある。こんな自分に夢を託してしまった、
ある大馬鹿者の夢すら背負っておる・・・!
・・・そして、キミに投票してくれた多くのファンの、夢。
重たい。だが、なんと晴れやかで、この身が爆ぜるほどの力量なのだ!
・・・心配は無用のようね。
そして・・・最後に、貴様の夢も、な。
ありがとう。
この緊張感・・・飲まずにはやっておれん!
わ〜駄目な大人がいる。
主君の一大事を前に、酒を飲む人がいますか。
しかもそれはウォッカ?昼間からそんな強い酒を・・・。
え?これウォッカなので?
知らずに飲んでたんですか。
その、ウォッカって何か他の呼称はありますか?
別の呼び方ですか?国を違えばヴォートカ、ブートカ、・・あと、
ホリールカとかでしょうか。
ホリールカ?・・・堀井瑠香!?
どうかしましたか?
なるほど・・・。
JRAも無茶なストーリーを考える・・・。
何かお力になれたのなら、幸いです。
お礼と言っては何ですが。
ちょっとだけ百合っぽい画像でもどうぞ。
・・・正直、微妙ですね。
ん〜、確かに。
とりあえず頂きます。
って、結局貰うんですか(汗)
大和殿には、こちらを。
コレもビミョ〜・・・。
・・・ま、とりあえず貰います。
大和さんもかいッ!?
すずこうさんには残念ですが、こんなモノしか。
・・・・・・コレは?
ミホノブルボンのケ〇の引き締まり具合は異常ですな。
ああ!もういい加減飽きたっての!
おげぇぇ!?
GTのファンファーレはまさに突撃ラッパ。
鳴り響くファンファーレに合わせ、競馬場は一つになる。
いや、ここ中山競馬場に集うファンだけでない。
日本中の競馬ファン達の思いが、この瞬間一つになる。
思いよ、届け。夢よ、花と咲け。
夢みたい・・・ついにこの時が来たんだね。
一世一代夢舞台。あすか殿、見てくれてますか。
もう、余所見ばかりして。
っ!出ますよ!
よろすぃ!盛大にぶっ放してくれるわ!
そして、ゲートは開かれた。
お、悪くないスタートだ。
中団。馬群の真ん中辺りですね。
だが、勝負事はそうそう上手く行くモンじゃ〜ない。
んむッ?
・・・囲まれた。
うあ、他の馬達に閉じ込められちゃった!?
横にも前にも隙間が無い・・・かと言って下がれば致命的な遅れになってしまう。
大:早くもピンチですね。
・・・大丈夫よ。
おお!夢路殿!
落ち着きなさい。今日のため、あらゆる事態を想定して調教メニューに組み込んできた。
なんとも頼もしい言葉じゃないか。
はい!
必ず馬群は散らばる。耐えて耐えて、その瞬間に爆発しなさい、バクシオー!
コーナー!外側に振られて僅かに隙間が!
まだです。まだ勝負どころじゃありません・・・!
くっ!
さ〜て、ここが我慢のしどころってヤツだが。
分かりました!一蓮托生、紅莉栖殿の手綱捌きを信じますぞ!
心配は無用か。
この舞台に立つため、自分はどれだけの人達に支えられてきたのだろう。
それを思うだけで、四肢に力が漲る。
だが、感謝を表すのに言葉は要らない。いや、言葉では足りないのだ。
さぁ、いよいよ勝負所だぞ!
こいつは盛り上がるぜ!
セロ殿、祈りましょう。
祈る・・・お前、いくら買ったんだ?
来月の生活費、その全てでございます。
くはッ!?は、走れバクシオー!!
も、もう見てはおれらません!
馬鹿野郎!しっかり見やがれ!
副総裁・・・!!
もし、恩に報いるなんて事が出来るとすれば、それは・・・。
進路が空いた!し、しかし!
道は2本。内に入れるか、外に出すか・・・。
どっち!?
・・・自分が出来る事、それはッ。
・・・感じます。貴方が、全てをわたくしに委ねて下さっているのを。
内か外か、どちらでありますか!?
そんな信頼に応えられずして、貴方との運命を語るなど、おこがましいッ!
自分を信じてください!外に出しましょう!
・・・なんと後生な。
えッ?
中に出したい。
えッ!?ちょっと、中じゃなく外に!
もっと哀願するように!
そ、外に出してくださぁい!
むほほほほ!盛〜り上がってきましたぞ〜〜〜!!
今、自分が皆に出来る事。
それは、勝利する事だけだ。